国東半島の山奥にひっそりとある小さな集落、夷谷の共同温泉(元香々地町営、現在は豊後高田市営)。やや褐色がかった鉄分の多い湯が神経痛や腰痛、皮膚病によく効くと評判の名湯だ。夕方はいつも地元の人たちで賑わっている。「ここのお湯でないと」と、遠く福岡からも常連客が毎日のようにやって来るほど。
  一帯は耶馬渓のような奇岩がそそり立つ特有の景観が美しく、紅葉シーズンはとりわけ絶景。夷谷温泉の建物からも目の前に夷耶馬の山々が眺められる。山歩きのあと、ひと汗流しにやって来る人たちも多い。山登りはちょっと、という人でも、車ですぐの一路一景公園に上れば夷谷一帯が一望できる。近くには六郷満山のひとつである霊仙寺や、巨大な国東塔がある実相院など見どころも多く、秋のお出かけにおすすめの隠れたスポットだ。

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(1)広々した浴槽に、源泉掛け流しの湯があふれている。
(2)里の駅にもなっている夷谷温泉。常連さんと話が弾む。

DATA

豊後高田市夷 TEL.0978-54-2995
営/10:00〜22:00
休/第2・4月曜(祝日の場合は翌日)
入湯料/大人300円

中山仙境(別名“夷耶馬”)

国東半島中央にあり、山岳宗教の霊場として栄えた地。奇岩、奇峰の景観が耶馬渓に似て、岩場を飾る紅葉が美しい。見ごろは12月初め。トレッキングコースも整備されている。


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(1)たこめしおにぎり630円、たこやきめし735円(各々汁物・漬物付)。
(2)『涛音寮』は和田さんの工房兼ギャラリー。古い着物や帯を甦らせた屏風や掛け軸が斬新だ。県内外作家の作品も展示販売している。
(3)風流な庭を眺めながら、意外な美味しさのたこ雑炊に舌鼓。

風格ある木造三階屋で
地物のたこめしバリエを楽しむ

 伊美港そばに立つ、築130年の木造三階建てギャラリー『涛音寮』。その一角にあり、かつての通称「三階屋」に因んだ『茶房さんがいや』では、地元国見で揚がる活たこを炊き込んだ「たこめし」が名物だ。オーナーの表具作家・和田木乃実さんが、現在90歳になる“末子おばちゃん”から習ったというたこめしをベースに、たこやきめし、たこ雑炊、たこめしおにぎりなどさまざまにアレンジした料理がいただける。プリプリした地だこならではの食感がたまらない。  

涛音寮(とういんりょう) 茶房さんがいや

DATA

国見町大字伊美2017 TEL.0978-82-1328
営/9:00〜17:00
休/火曜(祝日の場合は翌日)
入館料/大人200円(食事のみの場合は無料)
http://www.touinryou.com




手間も愛情もた〜っぷりかけた
“お母さんの大福”

 日本の米のルーツで赤飯の起源ともいわれる古代米“赤米”を使った『城山亭』の大福餅が、隠れた人気を呼んでいる。地元国見町岐部地区の農家の主婦グループ「つわぶき会」が、自分たちで植えた赤米を使って作る「赤米大福」。あんも自家製お多福豆の皮を一つひとつむいて丁寧に仕上げたもので、あっさりした上品な甘さは食べ始めたら止まらない。地の小豆を使った炭酸まんじゅう「城山まんじゅう」も素朴な味わいだ。

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(1)写真上から赤米“朝紫”150g200円、城山まんじゅう 5個300円、赤米大福 5個400円。
(2)赤米にはたんぱく質やビタミン類が豊富に含まれている。
(3)素朴で温かいお母さんたちとのふれあいが楽しい。赤米定食などの手作り料理も人気。

お食事処 城山亭

DATA

国見町大字岐部536(国見ふるさと展示館)
TEL.0978-83-0321 営/9:00〜17:00  休/水曜(祝日の場合は翌日)