取材の日、笙奏者の藤井絵里さんは2人の生徒とともに小さな神社に向かった。杉木立をさわやかな風が吹き抜ける境内に座り、思い思いに音を出す。三千年の昔、中国で生まれ、唐の時代に日本へ伝わったという笙。その厳かな音色が風と溶け合い、境内がしばし幽玄の世界に・・・。
「笙は誰が吹いてもきれいな音が出る楽器。だから鳥の声や風の音が聞こえたら、そこに自分の音を入れてみる。原始に帰って自らの感性で音楽を創る練習ですね」と藤井さん。
 レッスンではまず笙の取り扱い方法と古典雅楽を学ぶ。歌で旋律を覚え、合竹と呼ばれる和音(コード)による奏法を身につけるものだ。次は童謡などを吹いて現代的な笙の使い方を学ぶ。あとは型にはまらず自由な音楽創りを楽しむのが藤井さん流。「音を出すだけで何ともいえず気持ちいい」(山上美穂さん)、「天からふわっと引き上げてくれる感じ」(小崎行雄さん)というように、笙には癒しの効果も大きいようだ。
藤井絵里
緒方町育ち。東京・沖縄・福岡で美術・文学・舞踊を学び、1997年より田島和枝氏に雅楽や古典歌謡を学ぶ。笙のソリストとして地元緒方から中国北京まで各地で演奏。共演者も雅楽・ロック・ジャズ・クラシック・演歌から幼稚園児まで幅広い。帰国後は神社仏閣で儀式音楽を奏でるかたわら、環境と人を生かす斬新な音楽イベントを企画。2003年5月には緒方町「おくだけ里山音楽祭」を手掛け大成功をおさめる。6月より移動音楽カフェ『なそり』を開始。


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日時/相談に応じる
料金/1レッスン3,000円(出張)
問合せ/藤井絵里
携帯電話090-9480-0308
備考/藤井さんの笙のほか、ひちりき・龍笛も学べる「雅豊会」を大野町最乗寺にて開催。月2回、月曜の19:00〜21:30、会費1回500円。見学・初心者大歓迎。
問い合わせTEL.0974-34-2030

9月13日に福岡県遠賀町島津で行われる『観月コンサート雅』に出演予定(18:30〜、丸山歴史自然公園)。
自然の中で感性を研ぎ澄ますひととき。
レッスン中の山上さん(右)と、今日が初体験の小崎さん。
藤井さんが持参してくれた中国の笙(左上)、タイのケーン(右の2つ)、龍笛、ひちりき。初めて目にする楽器がほとんどだ。